NYカットオプション、ロンドンフィックスとドル円の関連性(実証データ)






このサイトでは日本時間午前0:00(夏時間は23:00)に期限を迎えるNYカットオプションと 日本時間午前1:00(夏時間は0:00)付近で実施されるロンドンフィックスが、 どの程度為替相場に影響を与えているのかを日々記録しています。


NYカットオプション 検証結果(2019年4月末まで)
欧州開始時刻にオプションから0.3円以内の場合にオプションへ向かう確率 欧州開始時刻にオプションから0.5円以内の場合にオプションへ向かう確率 米国開始時刻にオプションから0.3円以内の場合にオプションへ向かう確率 米国開始時刻にオプションから0.5円以内の場合にオプションへ向かう確率
24/33 72% 35/51 69% 23/35 66% 31/53 58%

*最も近いオプションのみを対象としています。
*一度でも大きく向かい接近した場合有効としています。
*開始時刻にオプション付近にあった場合は、維持または変動後にオプション値に戻ってきた場合有効としています。





ロンドンフィックス(夏23:30から24:00,冬24:30から25:00)での相場変動 検証結果(2019年4月末まで)
欧州開始時刻以降に大きな価格変動あった場合
計102回
米国開始時刻以降に大きな価格変動あった場合
計108回
流れに乗る 変化なし 流れに反発 流れに乗る 変化なし 流れに反発
39/102 38% 33/102 33% 30/102 29% 38/108 35% 31/108 29% 39/108 36%

*欧州開始時刻・・・夏時間15:00、冬時間16:00
*米国開始時刻・・・夏時間21:00、冬時間22:00とします。


・現在までの考察
NYカットオプションは欧州開始時刻の時点で付近にある場合、 目標とされる可能性が高いことがわかる。米国開始時刻でも同様だが、 現在価格と離れた場合は目標とされる可能性が下がっている。

ロンドンフィックスに関しては、驚くほど傾向が出なかった。 この時間帯での仕掛けは見られるが、続伸方向への仕掛けか、 反落方向への仕掛けのどちらが多いかという傾向はなく、 特に動きがない場合も多かった。


為替相場はファンド、機関投資家が動かしている

基本的に為替相場は、投資ファンドや銀行(機関投資家)などの巨額資金を持った投資家によって動かされることが多く、 指標や有力者の発言が必ずしも想定される方向に向かうわけではありません。 例としては、本来円高ドル安へ向かうべき米国機関の「米国政策金利を今後当分行わない」 などの発言後に、逆の円安ドル高へ急上昇するなどの動きです。 これは、市場が衝撃を受け情報と一致する方向への値動きに動こうとするところを、 それでは不利となってしまう投資ファンドなどが必死に動きを食い止め逆方向へ値を動かすために起こっています。
米国雇用統計発表の際に一度急変動があった後元の値付近に一度は戻ってくることが多く、 これも有力投資家の力が働いていることを証明しています。
身近なわかりやすい例では日本の年金基金の運用が基本的に黒字となっていますが、 通常の運任せの取引では安定した黒字には絶対になりませんので、 ある程度都合よく相場を動かして利益を出していると想像できます。 そして、このように巨大投資家が黒字になる代わりに小口の投資家が赤字となっているのが現状です。 なので小口投資家が黒字を出すには大口投資家の動きに乗ることが重要と思われます。

なお、ニュースなどでは「リスク選好が高まり」「警戒感から値下がり」「株安の影響を受け」「国債が下がり」 などと言われますが、正直なところこれらにはほとんど意味がありません。説明をするための後付けの理由にすぎません。 株は株先物を動かすことで市場全体が追従する動きになりますし、これに円高ドル安を強く仕掛ければ、「株安リスク回避の円高」 を作り出せます。投資ファンド同士が組んで一斉に値動きを起こすこともありますがそのような際にも、 実際公表されることはなく「投機的な動きがみられ」などと多少説明されることがあるだけです。

NYカットオプション、ロンドンフィックスは大口投資家の思惑が強く表れる

NYカットオプションやロンドンフィックスはこれら投資ファンドや銀行などの巨額資金を持った投資家が大きくかかわっており、 為替相場に大きな影響を与えています。簡単に言えば、 オプション期日にNYカットオプション水準より円安ドル高の値に持ち込みたい投資ファンドAと逆の円高ドル安に持ち込みたい投資ファンドBの争いになります。 ただ、そこに単に円安ドル高に持ち込みたいだけの銀行などの機関投資家Cなども絡むため、単純な動きとはなりません。
ロンドンフィックスはここで一気に相場を動かそうとする投資家の思惑が現れやすい時間帯です。 取引量が増え、値動きが盛んになります。

当サイトでは投資判断の基準となるよう、NYカットオプションやロンドンフィックス時に過去どのような動きがあったかを記録しています。 なお、月並みではありますが、投資判断は各自の責任でよろしくお願いします。

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