黄斑前膜(上膜)手術体験記録




私は40歳前後の男性ですが、右目に黄斑前膜という、 網膜の前に膜が張り網膜を変形さすことで視界を歪める病気を持ってしまいました。 最初はなんだか物が傾いて見えるような状態でしたが、 鏡を見て自分がかなり縦長に映ることに気づきました。 しばらく回復を待ち放っておいたのですが、症状は徐々に悪化し、 円がどんどん縦長の楕円に見えるよう変形してしまいました。 さすがに問題と思い、異常を感じてから2年後くらいに医者にかかったところ、 「黄斑前膜」と診断され、手術をするかどうかの判断を尋ねられました。

以下に私の体験した診断、手術、入院、術後の状態を記録します。

1.町の眼医者での診断(4月3日くらい)

近所の眼医者に行き検査を受けたところ、「黄斑前膜」と診断をされました。 原因はよくわからないようですが、一般医学の常識的な内容の説明を受けます。 もともと近視が強いので、それが原因にされやすいようです。
手術を受けるためには大きな病院でなければできないということで、 紹介状を書いてもらうことになりましたが、なぜか「もう一度来て視野検査をしてくれ」 と言われます。
大病院で検査→手術となると思ったので、 ここで検査を再度行う理由がよくわからないので理由を尋ねると 「大病院ではこういう検査をしたがらない。ここでの結果は大病院で利用される。」 という返事。やむを得ず別日に再度視野検査を行いに来ました。

なぜ視野検査が別日になるかというと、視野検査には瞳孔を開く点眼を打つため、 しばらく(5時間くらい)視界が白くなりものが見づらくなって、車や 自転車の運転に問題が生じるためです。 別日には歩行または運転しない状態での来院を求められます。
もともと運転をしない状態で来院した場合はどうなるのかわかりませんが、 医療費を請求したいところならやはり別日を指定する気がします。

視野検査に問題はなかったものの、やたら「斜視」がどうこうと言われます。 こちらとしては右目の視界が歪み視力も違う結果、 焦点を両目で合わせるのがきつく片目だけでものを見ているので、 「そら両目で見てないから」と思いますが、 やたら「斜視」を問題視してたので、??????でした。 斜視自体は子供のころからあったはずと言われ、「一度も言われたことない」というと、 「ずっと検査間違いだった」みたいに言ってました。正直どうでもいいことですが、 医者ってこんなこともわからないかというのが正直な感想です。 こっちは両目で焦点を合わすとしんどいので、無理して合わせてないんです。 体験のない人にはわからないのでしょう。

ここまでの費用は1万くらいかかります。結果的に言えばこの時間と費用は無駄でした。

2.大病院での診察(4月10日、17日くらい)

割と近所の大病院に紹介状を持って診察に行くと、そこではまさかの「検査一からやり直し」。 一時間くらいいろんな検査(この前やったばっかりのものが大半)をします。 「斜視」と余計な事を書かれたせいでこの検査もやたらとされます。
そしてまたも別日に視野検査となります。この日には入院ができる状態かの血液検査、 心電図、レントゲン、検尿などを実施されます。そして検査結果が出るのはなんと「1月後」でした。
もう2年は立っているので今更ですが、 この黄斑前膜は早期に手術を行わないと網膜が回復しない可能性が高いとの情報があるので、 早期の手術を希望していたのですが、そうはならなそうなことに気づきました。

しかも日帰り手術ではなく入院も1週間くらい必要と言われています。 結構黄斑前膜は日帰り手術可能と聞いていたので、もうこれならほかに行くかと考え、 日帰り手術を実施している病院を探し、連絡をしました。すると返信内容は、 「日帰り手術は可能、今申し込めば5月下旬には手術可能、診断書もらってきて。 入院のための体の検査はしない」とのことです。 結局時間かかるし、診断書をもらう手間など考えたら今の大病院でいいと考えました。

なお、大病院は紹介状なしでは通院できないところもあると思いますが、ここでは5, 6千円余分に支払えば初診から診てもらえます。 町の眼科に行く時間と費用考えたら直接行った方がいいと思います。

3.入院まで

5月中旬の検査結果は問題なしでしたが、「手術・入院時期は3か月後」と言われます。 これは結構世間的には常識なのかもしれませんが、入院の知識がないうえ、 早期手術をしなければ良化する可能性がないと考えていたので非常に困りました。

とはいっても、ここから日帰り手術の病院に切り替えても7月にはなるだろうと思いましたので、 3か月後の大病院の手術を受けることを承諾しました。 キャンセルなどで予定より早まる可能性もあるとは言われたものの、 基本的には8月で日程は後日連絡すると言われ終了します。
大病院でのここまでの医療費は1万5千円くらいでした。

その後6月に入って一度病院から連絡あり、なんと「6月下旬に手術可能」との連絡でした。 しかし、仕事の都合上急には休めないので「8月まで無理」と断ると、 後日連絡があり「8月上旬に可能」と言われたため、それを受け8月上旬に決定しました。 今後何も連絡をしないから、予定日時に来てくれという感じです。

入院の費用は 高額医療制度 によって月上限金額が定められているので、限度額適用認定証を申請し事前に入手しておきました。 これがないと、後日還付という形になり一度全てを支払わなくてはならなくなります。
ちなみに「申請してから一週間」で届くと書かれていますが、 本当に一週間かかるので注意が必要です。また、月額の上限は、入院と外来では別扱いなので、 入院で上限に達しても外来で上限に達していなければ支払う必要があります。

4.入院、手術(8月上旬)

入院用の目薬は3日前くらいから挿すよう言われています。 入院当日は前日からの準備のような感じで、違う目薬挿すくらいです。 朝の検診のために早めに入る感じでした。

手術は硝子体手術で手術後にはガスを入れる予定です。水晶体は年齢的な理由で交換しません。 50歳を過ぎているかどうかが水晶体交換の目安らしいです。
手術直前に機械が故障したらしく、後日実施にずれ込む可能性があったのですが、 修理か入れ替えかわかりませんが当日中に可能になりました。
手術室まではなぜか車いすで行きます。歩いていきたいのですが、 血圧や脈拍を安定さすためにこうなるらしいです。笑いそうになるので歩いたほうがよかったと思いますが。

手術室に入ると上向きに寝て、麻酔を打たれ上の光を見るよう言われます。その後何本か器材を刺す感じと思います。 痛みの有無を聞かれますが、「多少痛みを感じるけど、まあいいんじゃないか」と返答しました。 刺さってるわけだからそらそうだろうくらいの感じです。 それよりも光をずっと見続けるのがより苦痛です。

ここからの作業は硝子体を削除して、中の黄斑前膜を除去することと思います。 膜の除去ははっきり見えます。 やはり発生時期が2年前なのでなかなか取れないらしく、苦労していました。 ただ、黄斑前膜というものが「硝子体が網膜から離れたときに残ってしまったもの」と説明するなら、 「これは生まれつきくっついてたんじゃないのか?」とも思いましたが。
作業中はやはり目が圧迫される感じと鈍い痛みがあり、やや体に力が入りました。 何らかの作業がいったん終了すると腕に巻いた血圧測定器みたいなものに空気が入ったり抜けたりします。 これは後で聞くと、患者に刺激を与え意識がなくならないようにするためらしいです。

結局手術は45分程度で終了。網膜から出血し、レーザー治療を実施したようです。 ガスは注入しなかったようで理由は「網膜がしっかりとしていたから」だそうです。 網膜がぶよぶよしている場合にガスを注入して圧迫させるらしいです。 ガスの注入は白内障を加速させるため、できればしない方がいいようです。

5.入院中、退院
手術後はガスを混入しなかったため、下向きうつ伏せになる必要がなく、 目に衝撃と刺激を与えないようにすることが求められます。 「メオガード」というゴーグルのようなものを着用するよう言われます。
術後の状態は初日は特に問題なかったのですが、次の日に突如痛みが出て、 目が真っ赤な状態、すべて黒目のようになりました。痛みはすぐになくなりましたが、 赤い出血状態は1月は続くようです。また、眼圧が上昇したらしく、これを低下させなければならない状況にもなったようです。

その後は痛みはなく、朝の検診と、1日4回目薬を挿すだけの生活です。


(三種類を5分間隔で一日4回)


ずっと机で仕事をしていたうえに、TVが見れ、ウォークマンの持ち込みを行っていたので暇ではなかったのですが、 正直あまり入院する意味は感じませんでした。朝の検診はありますが、日曜はないので特に思います。 また、髪を洗うことを禁止されているので、頭皮湿疹を抱えている私としては毎日の洗浄が必要であることも問題でした。 これに関しては頭皮湿疹の治し方(体験)に記載してます。

退院連絡を待っていたところ、手術3日後の退院を伝えられました。
そして次の日には職場復帰、 一週間後に再検診となりました。目の状態に関しては、あまり見えない状態で、眼圧もまだ高い状態です。 眼圧低下用の目薬を使用するよう指示されました。



5.退院後へ